レジュメ (目次)をつくる

文章によって作品をつくる場合は、まず最初に骨格をつくらなければなりません。その骨格を、通常、出版の編集者の間では『レジュメ』と呼んでいます。レジュメはフランス語で、「摘要」というような意味です。本の目次のようなものと考えてくだ さい。作品を建築物と考えた場合は、レジュメは設計図のようなものです。建築物の設計図 は微に入り細をうがってつくらなければなりませんが、書籍のレジュメは厳しく考える必要はないと思います。書いているうちに、あれも入れよう、これも付け加えようとい うことになり、レジュメのとおりにはいかないものです。レジュメは、書き進める上で の目安と考えていただければいいでしょう。レジュメは『目次』という言葉に置き換えて説明されたりもします。

目次をつくる場合、全体をいくつかの『章』に分けるとまとめやすくなります。 自分史の場合、形式的には、書き出しは先祖の物語からというのが一般的です。

序章あるいは、一章は「我が先祖」ということになります。先祖の章の終わりには、両親の話を持ってくることも考えられます。

次の章は、自分の「出生」から小学校までの「幼年期」、あるいは、もう少し広げて中学校辺りまでにしてもいいかもしれません。

さらに高校以後を、「青春前期」として大学生活までを一つの章にくくれると思います。青春前期は甘酸っぱい哀感のただよう一時期です。

スポーツに青春を捧げた人、初恋、恋愛、灰色の受験勉強、大学入学、スポーツ、ゼミの付き合い、下宿生活、寮生活の思い出、学生運動、就職活動、希望と挫折、悲喜こもごもの青春時代を綴ることができます。たくさんのエピソードがある人は、高校とそれ以後(大学時代)を二つに分けてもいいと思います。大学には行かず、高校で就職した人は、またそれなりにひと足早い社会生活の彩りを付けた自分史になると思います。次の章では、社会に出た自分です。言うならば働く人間としての定年までの生活です。同僚の話、先輩や上司の話、恋愛・見合いの思い出、転勤、単身赴任、子供の出生、子供の入学、子供の悩み、会社での立場など、この章では生活の匂い、挫折感、仕事人問、脱サラ、独立、子供のこと、妻のこと、ゴルフ事始めなど、喜び、哀感こもごもと、盛りだくさんの人生模様を描くことができます。そして、次が定年後の人生です。第二の人生を歩む決意、人生観や交友関係、地域とのかかわりなど、それまでとは違った筆遣いとなるはずです。再就職、健康の問題、子供の結婚、嫁や婿のこと、孫のこと、ハイキング、カラオケ、 ゲートボ ―ル、ダンスの同好会などの趣味の集まりなど、現役時代とはひと昧違った人生の風景が展開します。夕暮れの人生には、また別な情緒や昧わいがあります。それに続いて、終章として、子供たちに残す教訓のような言葉、何気なく子供たちへ別れのメッセージを綴るということもあるかもしれません。それとも、老人ホームへの見学ツアーで終わりにするのか、執筆者それぞれの考え方によります。

自分史を残そうとするくらいですから、絶望的で救いのない内容になることはないと思いますが、中にはガンとの闘病という深刻な結末で終わる場合もあると思います。